ひよこの家は、0〜2歳児19名という定員に対し、
常に8人以上の職員が対応していました。
国の規準では
0歳児3人につき1人、1歳2歳児6人につき1人
の保育士を配置すればいいことになっています。
定員は0歳児6名、1歳児11名、2歳児2名のため、
0歳児に2人、1〜2歳児に3人の計5人いればいいということになります。
そこへ常に3人以上は加配していたことになります。
ひよこの家の施設長さんも常に
「うちは園庭もない小さな保育園だけど、職員の数だけはどこよりも多い!」
とおっしゃっていました。
限られた運営資金の中で、職員を多く配置することを優先するということは、
他の経費を圧迫し、つまりひとりひとりの人件費を削ったり、
備品や施設を新しくせず工夫して使う努力をしたり、
気持ちがないとできないことだと、つくづく思います。
そして、そんな「子どもたちの心に寄り添いたい」気持ちが作ったのは、
人を肯定する場所
だったように思います。
ひとりひとりに寄り添う余裕があるから、
例えばずっと泣いていたり、他のこと同じ生活リズムがとれない子どもがいても、
それを否定することなく受け入れて肯定していける。
そしてそれが、子どもの情緒の安定、基本的信頼感につながる。
こちらでも熱く語っていますが、
本当にこのことが、子どもの人生を豊かにします。
そして、「人を肯定する場所」は、そこへ預ける親、職員同士も包み込んで、
安心できる、ほっとできる居場所を作っていたのだなあと思います。
卒園文集などで、保護者が必ず書くのは、
「アットホーム」「安心できる」「あたたかな場所」
などのキーワードであること、
職員の方々も「ひよこが大好き」とつづられることの、
いちばんの理由はここにあるはずです。